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世界は新たな時代へと既に向かい始めている 闇を照らす炎が消えぬ限りこの道は続くだろう
― ビンセント・ハーリング 2013年連邦最高議会にて[4]

ビンセント・ハーリング(英: Vincent Harling)はオーシア連邦の政治家である。2004年から2012年まで第48代大統領を務めたと思われる[5][注 2][注 1]。平和主義者であり、任期中にはユークとの融和政策や環太平洋戦争の終戦、任期後には軌道エレベーター建設の主導で知られている。灯台戦争の開戦時にエルジア占領下の軌道エレベーターにとらわれたためオーシア軍救出作戦を実施したが、救出に用いたヘリが同氏を乗せた状態で被弾し、爆散した。その場で死亡したものと思われる。

経歴

1961年に生まれた[1]

1期目

2004年に大統領選挙で44,312,243票を得て、第48代大統領に就任した[6][7]。就任当時の世界では、オーシアとユークの関係が急速に改善されていた一方で、ユージア大陸では大陸戦争が戦われていた。第1期目の間、ハーリングは軍事予算を削減してユークとの共同宇宙開発に投資し、バセット国際宇宙基地のマスドライバーおよびアークバードを完成させた[8]。これらはさらに、ユークとの恒久的宇宙ステーション共同建設計画の足がかりとなる予定であった[9]。なお、アークバードは本来冷戦期に計画されていた戦略兵器だったが、ユリシーズが残した軌道上のデブリ群の清掃を行う平和利用目的に転用され、2008年8月までに静止軌道の80%を整備した[9]

再選とアークバード会議

2008年にも48,562,134票で再選され[7]、同年8月、アークバード上でG7サミットを主催した。このサミットは通称「アークバード会議」と呼ばれた。ハーリングは就任以来「国境を超えた場所」での首脳会議の必要性を説き続けており、自らそれを実現したこととなった。旧エルジア残存勢力や依然存在するユリシーズ難民などの問題を国際協力の下に解決するため、アークバード会議には敗戦直後のエルジア暫定自治政府も招待された。この会議で発されたアークバード宣言には、CTBT の早期発効・普遍化促進や START 2 への移行などの核軍縮についての記述が盛り込まれた[9]

ハーリングがユークとの融和政策を進めていた頃はユークでも融和主義者のニカノールが首相を務めており(具体的な期間は不明)、2人は友好的な関係にあったと思われる。

大統領の進める軍縮に対してよく思っていなかったオーシア軍人は多く、辞職する者もいた[10]

環太平洋戦争

詳細は「環太平洋戦争」を参照

2010年9月に、オーシア西海岸で領空侵犯した国籍不明機との複数回の戦闘があった。その後、27日にユークトバニアが突如宣戦布告し、オーシアに対する立て続けの攻勢を行った。ユークの潜水空母シンファクシがオーシア第3艦隊の空母2隻を撃沈した後、大統領は戦略兵器としてのアークバードの姿を復活させこれを実戦投入することを許可した。アークバードの存在によって両国間に戦力均衡が取り戻され、10月に入るとユークの攻勢は停止した。ハーリングは停戦交渉のため、中立国のノースポイントにてニカノール首相との会談を持とうとした。

10月22日、ハーリングは輸送機(コールサイン「マザーグース・ワン」)に搭乗してノースポイントへ向かった。移動は極秘であり、搭乗機は IFF を使用していなかったため、エイカーソン・ヒル上空にてオーシアの自動防空システムから攻撃を受けた。また、極秘であったにも関わらず情報はユーク軍に漏れており、ユークの戦闘機もマザーグース・ワンへの攻撃を試みた。幸運にも近辺で哨戒飛行にあたっていたウォードッグ隊がユーク軍機を撃退したが、マザーグース・ワン機内にもスパイが乗り込んでおり操縦士と副操縦士が殺害された。これ以上の飛行は困難となったため、大統領が無線でウォードッグ隊と通信する一方、秘書がウォードッグ隊からの指示に従って機体を不時着させた[11]

不時着後、燃料が少なくなっていたウォードッグ隊は8492飛行隊と交代したが、8492飛行隊は実際には環太平洋戦争を仕組んだ灰色の男たちの部隊だったため、ハーリングは彼らに捕らえられてしまった。その後、空母ケストレルと元ウォードッグ隊による有志に救出されるまで、ハーリングはシュティーア城に幽閉されていた[7]。大統領不在の間、好戦派のアップルルース副大統領は大統領の意志を偽って公表し続け[10]、オーシア軍はユークトバニア本土深くへ侵攻していった。

ハーリングの救出作戦は12月9日に実施された。救出後、ハーリングは元ウォードッグ隊を大統領直属のラーズグリーズ戦闘機部隊として再編した[7]。ケストレルとラーズグリーズによって灰色の男たちがベルカの核をオーシアとユークに拡散させようとしていることが判明すると、大統領は核が隠されていたイエリング鉱山と核が積み込まれたアークバードの破壊をラーズグリーズに命じた。

ハーリングは世界に真実を伝える放送を繰り返し試みたが、全てがオーシア政府に「敵による謀略」だと決めつけられて封殺された。彼は直接首都に乗り込むことを決断し、シーゴブリンのヘリコプターに乗ってケストレルを発った[12]。シーゴブリンによる首都「奪還」は成功し、ハーリングは同様に幽閉から救出されたニカノールと合流、12月30日に共にブライトヒルで戦争終結を宣言するテレビ演説を行った[13]

戦後

2011年4月にニカノールがユーク首相に正式に再任すると、ハーリングとニカノールは両国関係の完全な修復を掲げて外交努力を再開した。その一手としてアークバード宣言以来の戦略兵器削減となる START 3 が締結され、アリコーンの廃棄などの成果をあげた[14]

ハーリングはユリシーズ後のユージア大陸復興支援として軌道エレベーターの建設を計画し、2011年に国際軌道エレベーター公社(ISEV)を設立させた。被災地に経済的支援を行うだけでは復興支援にならないという考えから、軌道エレベーターは「メード・イン・ユージア」となるように計画され、初期投資と基礎技術の供与はオーシア政府が担ったものの、専門分野の研究や労働人材の確保は基本的にユージア内部で行うこととなった。軌道エレベーターの建設地が旧エルジア領だったこと、および軌道エレベーター防衛のためのオーシア軍の駐留を伴ったことで、エルジアからは強い反発が起こった[15]

地球へ向かう新たな小惑星が発見されたことに関わって、ハーリングは元ラーズグリーズ部隊の隊員であるケイ・ナガセに宇宙飛行士としての訓練を開始させた[16]。彼女はピルグリム1号の船長に就任し、おそらくはハーリングの任期終了直後[注 1]、当該小惑星を破壊するミッションに向かった[17]

2013年3月、ハーリングは環太平洋戦争に関する機密指定文書を2020年にすべて公開する行政命令を発したほか、これを連邦最高議会にて公表し、またこれに関して演説を行った[5][18]

死亡

詳細は「ライトハウス・キーパー作戦」を参照

大統領を退任後、自らが設立を主導した国際軌道エレベーター公社の顧問に就任し、ユージア大陸の復興のために邁進した[19]

灯台戦争開戦日である2019年5月15日、ハーリングは偶然完成した軌道エレベーターを視察中であったが、エルジア軍が開戦直後の奇襲攻撃で軌道エレベーターとその防衛システムを制圧もしくはハイジャックしたため、同行していたジョンソン大佐と共に軌道エレベーター内に身を潜めた。オーシア空軍は6月6日にハーリング救出作戦を開始し、シーゴブリンが軌道エレベーターに着陸して救出を試みたが、エルジア軍の攻撃により救出に用いるヘリごと全滅した。ジョンソン大佐がエンジン起動済みの MV-22 を発見したため2人はこれで軌道エレベーターを脱出したが、エルジアはアーセナルバードリバティ」を向かわせ、その搭載UAVで脱出機を攻撃した。

脱出機には環太平洋戦争時に搭乗した輸送機と同じ「マザーグース・ワン」とのコールサインが与えられた。マザーグース・ワンはアーセナルバードのUAVからのミサイルに被弾し、コクピット部分が破壊されてジョンソン大佐は死亡した。キャビンにいたハーリングはまだ生きていたと考えられるが、マザーグース・ワンはこのとき突如進路を反転させ、軌道エレベーターに引き返した。同機はオーシア軍からの度重なる呼びかけにも応じず、最終的に混戦の中で再びミサイルに被弾。機体は炎上し、上空で爆発四散した[1]

マザーグース・ワン周辺で護衛戦闘を行っていたオーシア空軍パイロット、TACネーム「トリガー」が当初最後のミサイルを発射した人物とされ、トリガーは元大統領殺害の罪で懲罰部隊に送られたが[20]、後にこれは冤罪だったことがわかった[21]

マザーグース・ワンがなぜ呼びかけに応じず反転したのか、またマザーグース・ワンに最後のミサイルを撃ったのは結局誰だったのか、については多くの議論がある。真実と言えるものが提示されていないので、作中のみならずメタ的にも議論の対象である。前者については「ハーリングの鏡」、後者については「ハーリング元大統領暗殺事件」を参照されたい。

人物

金髪、青い目の白人である。話し方が丁寧で思慮深い一方、リーダーシップに優れ、家族愛が深い[6]

演説の抜粋

ハーリングは2013年の連邦最高議会にて、環太平洋戦争に関する機密文書の2020年公開を公表した際、次の一節を含む演説を行った[5]

We must let time shed light on the truth behind this conflict. In the meantime, the world has already begun to head down a new path.

この事変を総括するには残念ながら私たちは時を待たねばならない。しかし、世界は新たな時代へと既に向かい始めている。

And this path shall go on, as long as the blaze of fire that shines through the darkness is not extinguished.

闇を照らす炎が消えぬ限り、この道は続くだろう。


ハーリングの大統領退任演説の次の一節は、2020年のベルカ戦争終結25周年記念式典の結びにて引用された[18]

困難に直面した時、喜びの最中にある時

我々は大空を見上げる

我々に今があるのも、明日があるのも、この世界を守ろうとした意志のおかげだからだ

我々の英雄は歴史に名を遺さずとも、我々の運命を切り開いた

だから我々はその意志に感謝する

仕事場で、学校で、レストランやリビングで

農場や工場で、海で、そして山の頂きで

任期の問題

ACES at WAR: A HISTORY 2019 はハーリングの大統領就任を2004年12月31日としている[6]。一方、AC5 のムービー[7]より、2回めの選挙は2008年だったことがわかる。従って2004年と2008年に選挙があることから、オーシア大統領の任期は4年である。よって、ハーリングの2期目は2012年12月31日に終わるはずである。

2期のみ務めたとする解釈の可能性

ケイ・ナガセピルグリム1号に搭乗する直前にハーリングに宛てて書いた手紙[22]では「元大統領閣下」と書いているが、ピルグリム1号は7年間のミッションを2019年11月1日に終えて帰還している[17]ので、手紙は遅くとも2012年末か、あるいは7年間という表現が不正確さを含んでいるなら2013年初めまでに、書かれていなければならない。

以上のことから、ハーリングは再々選されることはなく2期で退任したことが結論される。また、ケイ・ナガセの7年間という発言は「約」7年間という意味であり、ハーリングは退任後すぐに出発前のケイ・ナガセから手紙を受け取ったのだ、と解釈可能である。

再々選され、3期目を務めたとする解釈の可能性

ハーリングは2013年に、環太平洋戦争に関する記録を2020年にすべて公開することを議会で表明した[5]。エースコンバット5では、このときに大統領だったと明言されてはいない。具体的には、「オーシア連邦第48代大統領ビンセント・ハーリングは」という表現になっており、退任後でも矛盾しない。しかし、エースコンバット7発売後の GAZE 記事[18]では「2013年3月にオーシアのハーリング大統領が発した環太平洋戦争に関する機密指定文書自動解除についての行政命令」という表現が用いられた。これはハーリングが再々選されなかったという解釈に真っ向から矛盾しており、公式サイトの資料であることもあって、3期目を務めたとする解釈を強力に支持すると言えるかもしれない。

ハーリングが再々選された場合、3期目は2016年12月31日まで続く。なお、2018年にハーリングは大統領ではない[15]から、4期目がなかったことは確実である。

ACES at WAR 巻末年表を無視する解釈の可能性

詳細は「ACES at WAR 巻末年表の信頼性問題」を参照

ACES at WAR 系の2冊の巻末年表の信頼性には大きな問題があり、ハーリングの任期の問題はこの年表を他の公式ソースより劣位に扱うことで解決することができる。実際、2004年就任という記述は ACES at WAR: A HISTORY および ACES at WAR: A HISTORY 2019 にしかなく、その特に12月31日だとする情報はさらにこの2冊中の後者にしかないので、ACES at WAR 巻末年表を無視すればこれらの日付を全て無視できる。

この場合、オーシアの大統領は4の倍数年で選挙が行われ、その翌年の3月以降、6月以前の間に就任するという結論が可能である。ハーリングは2004年の選挙で当選し、2005年3月以降6月以前に就任し、2008年の選挙で再選され、2013年3月以降6月以前のどこかまで2期目の任期を全うして退任した。退任後、2013年の前半中であれば、ケイ・ナガセは四捨五入7年間のミッションに旅立つ前にハーリングを「元大統領閣下」と呼ぶことができる。また、2013年の3月時点でハーリングは退任直前ではあれど退任してはいないから、大統領として行政命令を発することができる。

この解釈は上記2つの解釈と比べ、矛盾解消のために無視する資料についてそれを無視する正当な理由付けができるという点でやや優れているかもしれない。

参照

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 任期については「任期の問題」セクションを参照。
  2. 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー 公式ガイドブック』(小学館)p7 は「第47代」としている。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN SCENE 05 腐った空気
  2. 2.0 2.1 ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN MISSION 04 Rescue「灯台守」
  3. 3.0 3.1 3.2 ACES at WAR: A HISTORY 2019 p043
  4. ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #29 "EPILOGUE"
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #29 "EPILOGUE"
  6. 6.0 6.1 6.2 ACES at WAR: A HISTORY 2019 p142
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #21 "ANCIENT WALLS #2"
  8. ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR Mission 06 WHITE BIRD(PART I)白い鳥I
  9. 9.0 9.1 9.2 ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR 公式サイト GAZE August,2008
  10. 10.0 10.1 ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #18 "8492"
  11. ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR Mission 08 "HANDFUL OF HOPE" 希望という名の積荷
  12. ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #22 "HEARTBREAK ONE #1"
  13. ACE COMBAT 5 - THE UNSUNG WAR SCENE #26 "ACES #2"
  14. ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN 公式サイト COLUMN #4 "FRONTLINE" Topic
  15. 15.0 15.1 ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN 公式サイト COLUMN #1 "OUR SCIENCE" Topic
  16. ACES at WAR: A HISTORY 2019 p.073
  17. 17.0 17.1 ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN MISSION 20 Dark Blue「ダーク・ブルー」 クリア後ムービー
  18. 18.0 18.1 18.2 ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN 公式サイト COLUMN #6 "GAZE" Topic
  19. ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN 公式サイト COLUMN #3 キャラクター紹介
  20. ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN Mission 05 444「懲罰部隊」
  21. ACE COMBAT 7 - SKIES UNKNOWN Mission 16 Last Hope「最後の希望」
  22. ACES at WAR: A HISTORY 2019 p073



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